訪問査定率で選ぶならLIFULL HOME'S(29.9%)、反響量で選ぶならイエウール(年間13,657件)が現時点の頂点です。ただし訪問査定率に最大18ポイントの差がある以上、サイトを間違えると同じ費用で面談数が半分以下になります。本記事では40,905件のテレアポデータをもとに、自社の営業スタイル別に選ぶべきサイトを解説します。

不動産会社が一括査定サイトの比較を重視する理由とは?

サイト選びは「どこに広告を打つか」ではなく「どんな売主と出会うか」を決める意思決定です。反響の出どころが違えば、売主の売却動機・保有物件の種類・検討の本気度がすべて異なります。適切なサイトを選ばないまま提携数を増やしても、追客工数だけが膨らんで媒介獲得につながりません。

反響の獲得方法が多様化している時代背景

かつては折込チラシや看板が主な集客手段でしたが、売主の情報収集経路がWEBに移行したことで、一括査定サイト経由の反響が急増しています。2025年の業界調査では、主要サイトの年間総査定数が40,905件に上り、複数サイトへの同時申込みも当たり前の行動になっています。

一方で、反響の増加に追客体制が追いついていない会社も多くあります。「反響は来るが通電しない」「訪問査定までたどり着けない」という課題は、サイト選びと追客の仕組みが噛み合っていないことが主因です。

サイト選びで反響の質と媒介獲得数が変わる現実

同じ件数の反響でも、サイトによって訪問査定率は大きく異なります。年間40,905件の査定を集計した調査では、訪問査定率の1位と最下位で約18ポイントの差(29.9%対12.0%)がありました。訪問査定率が低いサイトでは、同じ費用をかけても実際に顔を合わせられる機会が大幅に少なくなります。

申込者の売却動機や検討の本気度はサイトによって異なります。どのサイトが自社の営業スタイルに合う売主を集めているかを見極めることが、媒介獲得の出発点です。

(引用元:ミカタ株式会社「2025年 一括査定サイト訪問査定率年間ランキング」

一括査定サイト選びで見るべき比較ポイントは何か?

「訪問査定率・費用モデル・エリア適合性・ユーザー属性・既存ツールとの連携」の5点を軸に比較することで、自社に合う反響が来るかどうかを事前に判断できます。

査定件数と訪問査定率という基本指標

規模の大きいサイトは反響数が多い反面、ユーザーが複数社に同時申込みするケースも多くなります。一括査定の申込者は最終的に3社程度に絞って面談するとされており、反響が来ても競合2社と同時に走っている状況が標準です。

反響の数だけでなく訪問査定率(面談獲得率)で比較することが、費用対効果を測る正確な指標になります。

(引用元:公益社団法人全日本不動産協会「一括査定サイトを利用した効果的な媒介取得法」月刊不動産2019年7月号

掲載エリアと費用モデルの確認

全国型のサイトは都市部・地方を問わず反響が入りますが、自社の営業エリア外の反響はそのまま損失になります。掲載エリアを細かく絞れるかどうかを確認することが、無駄な費用を防ぐ第一歩です。

費用モデルは「完全従量制」「完全反響課金制」など呼び方が異なりますが、どちらも反響件数分だけ費用が発生する仕組みです。反響単価は各社非公開のため、提携前に問い合わせて確認してください。

主要な一括査定サイトの特徴と実績はどう違うのか?

訪問査定率・年間反響数・費用モデルの3軸で比較すると、各サイトの強みと向いている会社の特性が明確になります。

主要一括査定サイト比較表

サイト名 費用モデル 提携会社数 年間反響数※ 訪問査定率※ 向いている会社
LIFULL HOME'S 反響課金型(詳細は要問合せ) 約5,144社 9,385件 29.9% 訪問査定率を重視したい会社
すまいステップ 完全反響課金制(初期費用・固定費0円) 約2,200社 3,003件 25.9% 売却意欲の高い反響を優先したい会社
スーモ 詳細は要問合せ 約2,000社以上 2,188件 25.3% ブランド認知で差をつけたい会社
HOME4U 完全従量制(初期費用・固定費0円) 約2,300社 11,883件 20.2% 反響量と費用リスクのバランスを取りたい会社
イエウール 完全反響課金制(初期費用・固定費0円) 約2,500社 13,657件 12.0% 反響の絶対量を確保したい会社

※集計期間2025年1月6日〜12月26日・総査定数40,905件のテレアポ代行データ。訪問査定率の分母はキャンセル・いたずら等を除いた対応可能件数。テレアポ代行経由の数値のため、自社営業チームの数値とは異なります。

(引用元:ミカタ株式会社「2025年 一括査定サイト訪問査定率年間ランキング」
※提携会社数・費用モデルの出典:LIFULL HOME'SすまいステップHOME4Uイエウール各社公式サイト。スーモの提携会社数は複数メディアによる調査値(HOME4U不動産売却の教科書マイベスト)。

訪問査定率と査定数で媒体を選ぶ

年間反響数13,657件で最多のイエウールは反響量が最大ですが、訪問査定率は12.0%(40,905件中の集計)にとどまります。対して訪問査定率1位のLIFULL HOME'Sは年間9,385件の反響で29.9%を達成しており、反響の絶対数より1件あたりの成果を重視する場合には適しています。反響を「量で稼ぐか・質で稼ぐか」によって選ぶべき媒体が変わります。

提携会社数で媒体を選ぶ

提携会社数はユーザーが査定依頼を送れる会社の選択肢数に直結します。LIFULL HOME'Sは全国5,144社と業界最大規模の提携会社数を持ち、その分ユーザーの選択肢が広い媒体です。

一括査定サイトから得た反響を媒介獲得に結びつけるコツは?

反響直後の接触速度と、その後の継続的な追客の自動化が媒介獲得率を決めます。特に一括査定ユーザーは複数社に同時申込みしているため、最初に連絡が取れた会社が有利なポジションを取ります。

反響直後の接触速度が勝敗を分ける

追客の最適タイミングは土曜日の12時〜15時と、火曜・水曜の午後です。木曜午前は競合他社が一斉に架電を始めるためアポ率が低く、金曜夜も「追い込み合戦」になりやすいと報告されています。曜日・時間帯で通電率が変わる以上、反響直後に手が空いていなければ最適タイミングを逃します。

通電率の目標は70%、訪問査定率は反響件数の25%が一つの目安とされています。逆算すると、通電率70%・通電後の訪問査定転換率35%以上を維持しないと25%には届きません。

(引用元:ミカタ株式会社「曜日・時間帯ごとの通電率」公益社団法人全日本不動産協会「一括査定サイトを利用した効果的な媒介取得法」月刊不動産2019年7月号

自動追客の仕組みが媒介獲得を左右する

反響直後に電話がつながらなかった場合、その後の追客を手動で管理していると対応漏れが発生します。LINE・メール・SMSを組み合わせた自動追客の仕組みを持つかどうかが、媒介獲得率の分岐点です。

追客チャネルの中でもLINEは開封率で大きく優位に立ちます。LINE公式アカウントのメッセージ開封率は平均55%とされており、不動産・住宅業界のメール平均開封率24.50%と比べると約30ポイントの差があります。

ただしLINEは友達登録済みのユーザーにしかメッセージが届かないため、反響が入った直後に友達登録へ誘導する導線をあらかじめ設計しておくことが、この優位性を活かす前提条件です。

(引用元:LINEヤフー社・lymcampus「LINE公式アカウント開封率調査」2022年6月 、 ラクス社「業界別メルマガの開封率とクリック率の目安って?効果測定の正しい方法とは」2024年7月

※ALL GRITはお友達転換の自動化を実現したLINE追客ツールです。反響直後からLINE追客を行いたい方へ。ALL GRITのサービス資料をダウンロードする

一括査定サイト比較で失敗しないために確認すべきチェックポイントとは?

「自社ターゲットとの適合性・既存システムとの連携・費用対効果の逆算」の3点を提携前に確認するだけで、後からの課題発生を大幅に防げます。

自社のターゲット属性との適合性

得意物件タイプ(マンション・戸建て・土地)や営業エリアが、サイトのユーザー属性と合っているかを確認します。都市部特化のサイトに地方会社が提携しても、エリア外の反響ばかり届くことになりかねません。可能であれば、少量の反響でテスト提携を行ってから本格運用に移ることをお勧めします。

既存システムとの連携可否

SFAやCRMへの自動取り込みができるかどうかが、運用負担を大きく左右します。反響管理が手作業のままでは、提携サイト数が増えるほど対応漏れのリスクが高まります。

費用対効果の逆算

反響単価 × 訪問査定率 × 媒介取得率 × 仲介手数料で、損益分岐点を事前に計算します。訪問査定から媒介取得率60%が目安とされており、これを下回っている場合はサイト選びより追客の仕組みに問題がある可能性が高いです。提携サイトを変えるだけでは数字は動かないため、追客プロセスの見直しを先に済ませてから媒体を選ぶ順序が費用対効果を高めます。

(引用元:公益社団法人全日本不動産協会「一括査定サイトを利用した効果的な媒介取得法」月刊不動産2019年7月号

よくある質問

Q一括査定サイトの提携費用はどのくらいかかるのか?

多くのサイトは反響課金型で固定費ゼロで始められますが、費用モデルによっては固定費が発生するケースもあります。反響単価は各社非公開のため、目安は直接問い合わせが必要です。いずれにしても、反響件数と訪問査定率から費用対効果を逆算してから契約を判断することが出発点です。

Q複数サイトに同時提携してもいいのか?

提携数を増やすことで反響の絶対数は増えますが、追客体制が整っていなければ対応漏れが増えて媒介獲得率が下がります。1サイト目の通電率・訪問査定率が安定してから2サイト目を検討するのが安全な順序です。反響管理ツールを先に導入しておくと、複数提携に移行するハードルが下がります。

Q地域によって最適なサイトは変わるのか?

変わります。都市部では大手ポータル連携サイトの認知度が高く反響量を稼ぎやすい一方、地方では地域に特化したサイトの方が合うケースもあります。自社の営業エリアで少量テストをして反響の属性を確認してからスケールさせることをお勧めします。

Q一括査定反響は営業難易度が高いというのは本当か?

本当です。申込者の多くが複数社に同時依頼しているため、最初に信頼を得た会社が優位に立ちます。初回の通電で価格の話をするより、売主の状況をヒアリングして「この会社に頼みたい」と思わせることが媒介獲得につながります。自動追客と組み合わせて、検討期間を継続的にフォローする仕組みが媒介獲得率を底上げします。

Q一括査定サイトとポータルサイトの物件問い合わせは何が違うのか?

反響ユーザーの属性がまったく異なります。ポータルサイト経由は購入希望者からの問い合わせが中心ですが、一括査定サイトは売却希望者がターゲットです。売却仲介に力を入れている会社は一括査定サイトを、購入仲介に強い会社はポータルサイトの反響対応を軸にするとよいでしょう。

一括査定反響の追客を自動化する

一括査定の反響は、通電できない時間帯が続くと競合他社に流れてしまいます。

ALL GRITは反響をLINEのお友達に自動転換するMAツールです。電話がつながらない時間帯も売主との接点を維持し続け、媒介獲得に繋げます。

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河野清博

執筆者

河野 清博

ギバーテイクオール株式会社 代表取締役CEO

最終更新日:2026年9月9日