不動産追客で電話がつながらない最大の原因は、かける時間帯のミスと、電話だけに頼る追客設計にあります。一括査定の反響直後は通電率が最も高く、時間が経つほど急落します。通電率データをもとにした「かけるべき時間帯の正解」と、電話に出ない反響客を逃さないための対応策を具体的に解説します。
不動産売却反響の追客電話はなぜつながらないのか?
通電しない主な原因は「かける時間帯のミス」と「知らない番号への警戒」の2つです。自社の営業力だけの問題ではなく、業界全体で起きている構造的な課題です。
そもそも通電率の業界平均はどのくらいか
公益社団法人全日本不動産協会の資料では、一括査定反響への架電で目標とすべき通電率は70%とされています。しかし、この水準を安定して達成できている会社は多くありません。
反響後30分以内に架電した場合の通電率は50〜60%、翌日以降に架電すると15〜25%まで下がると言われています。同じ反響に電話しているにもかかわらず、かけるタイミングだけでこれだけの差が生まれます。
(引用元:公益社団法人全日本不動産協会「一括査定サイトを利用した一般的な媒介取得方法」、Facilo社「不動産の追客電話マニュアル」)
反響から時間が経つほど通電率が下がる理由
売主は一括査定を送信した直後が、最も電話への関心が高い状態にあります。時間が経つにつれて別のことへ意識が向き、「後でいいか」となりやすくなります。先に別の会社と話が進んでいるケースもあります。
0120番号や非通知への警戒感も年々強まっており、折り返しも期待しにくい状況です。電話に出てもらえないこと自体は、営業力の問題ではなく時代の変化です。
電話がつながりやすい時間帯はいつか?
平日なら17〜20時、土曜なら昼12〜15時、日曜なら午前9〜12時が比較的通電しやすい時間帯です。ただし、どの時間帯よりも「反響直後の30分以内」が最優先です。
曜日・時間帯別の通電率の傾向
ある調査データをもとに、架電時間帯と通電率の目安を整理しました。
| 時間帯 | 平日 | 土曜 | 日曜 |
|---|---|---|---|
| 9〜12時 | ○ | △ | ◎ |
| 12〜15時 | △〜○ | ◎ | ○ |
| 15〜17時 | △〜○ | ◎ | ○ |
| 17〜20時 | ◎ | ○ | ○ |
※◎=比較的つながりやすい ○=まずまず △=つながりにくい
平日の昼(12〜15時)は曜日によってばらつきが大きく、一概に「出やすい・出にくい」とは言えません。夕方17時以降は平日全般で通電率が上がる傾向があります。土曜は昼12〜15時が最も通電率が高く、日曜は午前中が狙い目です。
(引用元:ミカタ社「曜日・時間帯ごとの通電率」)
反響直後の「ゴールデンタイム」を逃すと何が起きるか
前述のとおり、反響後30分以内と翌日以降では通電率に倍以上の差が生まれます。その間に競合他社が先にアポを取っている可能性があります。
「反響が来たら30分以内に架電する」というルールを社内で徹底することが、通電率改善の出発点です。
何回かけても出ない反響客にはどう対応すればいいか?
架電は5回を目安とし、並行してSMSでテキスト接触を入れることが有効です。電話一本槍では限界があります。
コール回数と通電率の関係:何回まで粘るべきか
コール数の上限は5回・1日1回が基本のパターンとされています。6回以上かけても通電率はほとんど変わらず、「しつこい会社」として印象が悪化するリスクのほうが高まります。5回不通の場合はテキスト系の追客に切り替える判断が現実的です。
毎日同じ時間にかけることも避けます。月曜の朝・水曜の夕方・土曜の昼など、曜日と時間帯をずらして架電することで、生活リズムの違う売主に当たりやすくなります。
(引用元:Facilo社「不動産の追客電話マニュアル」)
SMSを使った「出なくても伝わる」フォロー方法
電話に出てもらえないときは、架電後にSMSで短く添えます。「○○不動産の△△です。査定結果についてご連絡したくお電話しました。お時間のよいときにご折り返しください」という内容で十分です。
電話番号宛に直接送れるため、LINE登録や会員登録を求める必要がなく、送信のハードルが低い手段です。メッセージを見て「この会社なら出てみよう」と思ってもらえれば、折り返しにつながります。
電話追客だけでは反響を取りこぼすのはなぜか?
電話だけに頼る設計では、構造的に反響を取りこぼします。一括査定ユーザーの行動パターンがその理由です。
一括査定ユーザーは複数社に同時送信している現実
訪問査定を依頼する会社は「3社程度に絞る」売主が多いとされています。反響が届いた時点で、すでに複数の競合他社にも同じ情報が届いています。
「電話に出なかった=興味がない」ではなく、「他社が先にアポを取った」可能性を常に意識すべきです。
(引用元:公益社団法人全日本不動産協会「一括査定サイトを利用した一般的な媒介取得方法」)
電話がつながらない間に失注が起きるメカニズム
会社員の売主は日中仕事中であることが多く、知らない番号には出ないという判断をします。反響が来る→架電するも不通→翌日また不通→別の会社が先に訪問査定→媒介契約を取られる。このサイクルが現場の実態です。
電話がつながらない間、売主に何もアプローチできていないことが、失注の本当の原因です。
電話に出ない反響客にはなぜLINEが有効なのか?
追客チャネルによって、送った情報が読まれる確率は大きく異なります。LINE公式アカウントの一斉配信メッセージの平均開封率は55%であるのに対し、不動産業界のメール開封率は30.13%とされており、同じ件数の追客でもチャネルを変えるだけで読まれる確率が変わります。
電話がつながらない売主へのサブ追客として、架電・メール中心の追客にLINEを組み合わせることで、反応が取れるタイミングと確率が上がります。
(引用元:LINEヤフー社・lymcampus「LINE公式アカウント開封率調査」2022年6月、Benchmark Email 「不動産(住宅)分野のメール平均開封率」2026年版)
LINEは相手のペースで読めるため、接触後に電話すると通電率が上がる
LINEのメッセージは、受け取った側が都合のいいタイミングで読めます。電話と違い「今すぐ対応しなければ」というプレッシャーを与えないため、拒否感なく自社の情報を届けられます。
LINEで一度でも接触した後に電話をかけると、「あのLINEの会社だ」と認識されます。知らない番号からの着信と、やりとりのある会社からの着信では、出てもらいやすさが変わります。電話とLINEを組み合わせた追客設計が、通電率改善に直結します。
一括査定反響にLINEを使うには「友だち登録」という壁がある
LINEはお友だち登録が完了していないとメッセージを送ることができません。そのため一括査定反響直後のLINE追客は通常の運用では難しい状況です。反響が来た瞬間にLINEでつながれる仕組みを持てるかどうかが、追客設計の差になります。
よくある質問
Q反響に電話したら「もう他社に決めた」と言われました。通電が遅かったのが原因ですか?
原因の一つである可能性は高いです。翌日以降の通電率は反響直後の半分以下になるデータもあります。競合他社が先に訪問査定のアポを取っていたケースは多く、反響後30分以内の初回架電が媒介獲得に直結します。
Q追客の電話は夜何時までかけていいですか?
特定商取引法には電話勧誘の時間帯を直接制限する規定はありません(最新情報は消費者庁 電話勧誘販売のページでご確認ください)。ただし業界慣習として21時を目安に架電を止める会社が多いです。売主との関係性がまだ浅い段階では、20時を超えたら翌日以降に持ち越すほうが印象管理の面で無難です。
Q他社がすでに電話でアポを取っていた場合、後からかけても意味はないですか?
意味がないとは言い切れません。訪問査定を依頼する会社を3社程度に絞る売主が多く、アポが入っていても媒介契約はまだ決まっていない段階です。丁寧に接触を続けることで逆転できるケースがあります。
意味がないとは言い切れません。訪問査定を依頼する会社を3社程度に絞る売主が多く、アポが入っていても媒介契約はまだ決まっていない段階です。丁寧に接触を続けることで逆転できるケースがあります。
(引用元:Facilo社「不動産の追客電話マニュアル」、公益社団法人全日本不動産協会「一括査定サイトを利用した一般的な媒介取得方法」)
電話に加えて反響直後からLINE追客を実現したい方へ
LINEは開封率・既読確認の面で、追客チャネルとして最も優れたツールのひとつです。しかし一括査定サイトからの反響に対しては、お友だち登録が完了していないため、一般的には反響直後にLINEで追客することができません。
ALL GRITは、一括査定反響をそのままLINEのお友達に転換することが可能です。反響が届いた直後からLINEを追客チャネルとして活用できるようになるため、媒介につながるアポ獲得に大きく貢献します。
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執筆者 河野 清博 ギバーテイクオール株式会社 代表取締役CEO 最終更新日:2026年9月3日 |

