一括査定の反響への追客は、最初の3ヶ月に集中し、その後も最低1年は続けるのが目安です。一括査定の利用者が実際に売却するまでの期間は、平均で約半年かかるためです。反響から1年を過ぎても売却する人は一定数いるため、追客は「やめる」のではなく「頻度を落として続ける」と決めておきます。
不動産の追客で「期間」が大事なのはなぜ?
追客期間を決めておく理由は、売主の動き出す時期がばらばらで、追客をやめた後に売却する人もいるからです。期間を決めずにいると追客は早く止まり、半年後・1年後に動き出した売主を他社に取られます。
反響が売却に至るまで平均約半年かかる
ある調査会社が一括査定反響の登記簿を調べました。約13ヶ月後に売却済みだったのは、986件中247件(25.1%)でした。売買までの平均日数は181.0日で、約半年かかっています。
(引用元:ミカタ株式会社「一括査定反響の所有権移転率 調査(2022年10月度)」)
1年を過ぎてから売れる反響もある
同じ調査では、別の月の反響290件を追いかけています。反響から約1年の時点で売却済みは57件(19.6%)でしたが、約1年半の時点では68件(23.4%)に増えました。つまり、1年を過ぎてからの半年間でも11件が売却に至っています。
反響後、追客はいつ始めるのが正解?
追客の開始は、反響が入った直後です。目安は「反響から1時間以内」、できれば数分以内に初回の電話をかけます。
初回の電話は1時間以内が基本
米国の研究者らの調査では、2,241社の問い合わせ対応を調べました。1時間以内に対応した会社は37%で、23%は一度も対応していませんでした。125万件の問い合わせを分析した別の調査では、1時間以内に連絡した会社は、それより遅い会社に比べて見込み客の見極めまで進める割合が約7倍でした。
(引用元:Harvard Business Review「The Short Life of Online Sales Leads」)
国内でも、反響から1分以内の電話を徹底した売買仲介店の事例があります。この店舗では、売主との接触率が38.2%から63%に上がりました。
(引用元:LIFULL HOME'S Businessの事例報告)
つながらない反響は、日を変えてかけ直す
半数近くの人は、知らない番号からの電話にほぼ出ません。全国の20〜69歳1,100人への調査では、45.2%が「知らない番号からの着信はほぼ出ない」と答えています。初回で通電(電話がつながり、本人と話せること)しなくても、あきらめる必要はありません。時間帯と日を変えて、初回を含め累計4〜5回は電話をかけます。
(引用元:クロス・マーケティング社「電話での声と文字のやり取りに関する調査(2024年)」/LIFULL HOME'S Business「【事例あり】不動産一括査定の初期対応や追客の方法」)
売主の温度別に、追客期間の目安はどう変わる?
追客期間は、売主の「売りたい時期」で分けて決めます。売却時期が決まっている人は短く濃く、決まっていない人は長く薄く追います。
査定から売り出し(≒媒介獲得)までの期間
売り出しは媒介契約を結んだ後に始まるため、「査定から売り出しまで」の期間で媒介の決まる時期がわかります。売却経験者259人への調査結果は、次のとおりでした。
| 物件種別 | 回答者数 | 査定から3ヶ月未満で売り出した人 | 査定から成約まで半年以上かかった人 |
|---|---|---|---|
| マンション | 95人 | 79人(83.2%) | 44人(46.3%) |
| 戸建て | 83人 | 67人(80.7%) | 41人(49.4%) |
| 土地 | 81人 | 71人中27人(38.0%)※ | 51人(63.0%) |
※土地は、査定を受けなかった10人を除いて計算しています。
マンションと戸建ては、8割以上が査定から3ヶ月以内に売り出し、媒介の依頼先を決めています。一方、土地で3ヶ月以内に売り出した人は4割に届きません。また、成約まで半年以上かかると、専任媒介(最長3ヶ月)の更新時期をまたぐことになります。
(引用元:Speee社「すまいステップによる不動産売却の実態調査」)
温度別の追客期間と頻度の目安
※上記の調査と、当社が売買仲介会社の追客を支援してきた経験をもとにした目安です。
| 売主の温度 | 見分け方 | 集中追客の期間 | その後の継続 | 連絡頻度の目安 |
|---|---|---|---|---|
| ホット | 売却時期が3ヶ月以内・住み替え先が決まっている | 反響〜1ヶ月 | 媒介獲得まで | 週1〜2回 |
| ウォーム | 半年〜1年以内に売りたい | 反響〜3ヶ月 | 1年まで | 2週間に1回 |
| コールド | 時期は未定・相場を知りたいだけ | 反響〜1ヶ月 | 1年以上 | 月1回 |
追客期間を決めるときに確認すべきポイントは?
確認するのは「物件の種類」「売主の売却予定時期」「専任媒介の更新時期」の3つです。
物件の種類と売りにくさ
先ほどの表のとおり、土地はマンションより媒介が決まるまで時間がかかります。土地は追客期間を長めにし、マンションは最初の3ヶ月を厚くします。
売主の売却予定時期と、他社の媒介期間
初回の通電時に「いつまでに売りたいか」を必ず聞きます。また、他社と専任媒介を結んだ売主も、追客対象から外しません。専任媒介・専属専任媒介の契約期間は最長3ヶ月と法律で決まっており、更新のタイミングで乗り換えが起きるためです。
【要確認:法令は改正される場合があります。国土交通省サイトで最新情報をご確認ください】
(引用元:e-Gov法令検索「宅地建物取引業法 第34条の2第3項」)
追客期間が長すぎると、どんな問題が起きる?
期間そのものより、「同じ頻度のまま長く追う」ことが問題です。高い頻度で電話を続けると売主に嫌がられ、担当者の時間も新しい反響に回せなくなります。
しつこい電話はルール違反になることもある
売主が「もう連絡しないでほしい」と伝えた後の勧誘は、法令で禁止されています。迷惑を覚えさせるような時間の電話も同様です。追客を長く続けるほど、断られた記録を全員で共有する仕組みが欠かせません。
【要確認:法令は改正される場合があります。国土交通省サイトで最新情報をご確認ください】
(引用元:国土交通省「宅地建物取引業法施行規則の一部改正について」/e-Gov法令検索「宅地建物取引業法施行規則 第16条の12」)
新しい反響への初回対応が遅れる
古い反響の電話に時間を取られると、新しい反響への初回対応が遅れます。
追客期間を無理なく続ける仕組みはどう作る?
仕組みの基本は、反響直後から「電話」と「LINE」を並行して使うことです。あわせて、全反響の温度と次回連絡日を1か所で管理します。
反響ごとに「温度」と「次の連絡日」を管理する
反響が入ったら、温度・売却予定時期・次回連絡日を必ず記録します。業界団体は、反響の通電率70%、訪問査定率25%、訪問査定からの媒介取得率60%を目標の目安として示しています。自社の数字とこの目安を比べ、どこで反響が止まっているかを確認します。
(引用元:公益社団法人全日本不動産協会「一括査定サイトを利用した効果的な媒介取得法」)
営業1人への売り反響の配分は、月15件前後とする売買仲介会社が多く見られます。あわせて、「月15件の反響から媒介1件」を獲得目標に置く会社も少なくありません。
月15件でも、1年追えば1人約180件を抱える計算で、電話だけでは追いきれません。
(引用元:ギバーテイクオール株式会社 調べ)
電話とLINEを反響直後から並行して使う
電話は、売主と直接話せるのが強みです。反響直後から、電話とLINEの両方で訪問査定の案内を始めます。
LINEの国内月間利用者数は1億人を超えており、売主が普段から見ている連絡手段です。
LINEなら、売主は都合のよい時間に返信できます。査定結果の説明から訪問査定の日程調整まで、LINE上で進めることも可能です。3ヶ月を過ぎた反響には、相場情報や売却事例を定期的に送ります。
ただし、LINEはお友達登録が完了していないとメッセージを送れません。一括査定の反響は電話番号とメールしかわからないため、反響直後からLINEを使えないのが業界の悩みです。ALL GRITは、この反響をLINEのお友達に切り替え、反響直後からLINEで追客できるようにするツールです。
電話と同時にLINEでも追客すれば、電話に出ない売主の取りこぼしを防げます。また、長期の追客まで手が回っていない会社の場合、担当者の手間をかけずに接点を保てるLINEが有効です。
(引用元:LINEヤフー社「LINE、国内月間利用者数が1億ユーザーを突破」)
※ALL GRITは売買仲介特化の自動追客ツールです。反響直後から長期までLINE追客を実現したい方へ。⇒ALL GRITのサービス資料をダウンロードする
よくある質問
Q不動産の追客は、何回まで電話してもいいですか?
回数そのものの上限はありません。ただし、売主が「もう連絡しないでほしい」と伝えた後の電話と、迷惑を覚えさせるような時間の電話は法令で禁止されています。初回がつながらない場合は日と時間帯を変えて累計4〜5回電話をかけ、その後は売主の温度に合わせて頻度を落とします。
【要確認:法令は改正される場合があります。国土交通省サイトで最新情報をご確認ください】
Q追客をやめてもいいのはどんなときですか?
売主から連絡を断られたとき、または他社で売却が終わったときです。反応がないだけの反響は、やめずに頻度を月1回程度まで落として続けます。一括査定反響の調査では、1年を過ぎてから売却した人もいるためです。
Q他社と専任媒介を結んだ売主にも、追客を続けてもいいですか?
続けて問題ありません。専任媒介の契約期間は最長3ヶ月のため、更新のタイミングで再度連絡します。ただし、本人が連絡を断った場合は追客を止めます。
【要確認:法令は改正される場合があります。国土交通省サイトで最新情報をご確認ください】
追客の手間を減らしながら、長く続けるには?
ALL GRITは、一括査定の反響をLINEのお友達に切り替え、反響直後からLINEで自動追客するツールです。
電話に出ない売主にもLINEで訪問査定の案内を届けられ、1年以上の長期間の追客も少人数で続けられます。
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執筆者 河野 清博 ギバーテイクオール株式会社 代表取締役CEO 最終更新日:2026年9月16日 |

