売却反響の対応は、「他社より先に通電し、訪問査定の約束を取れるか」で決まります。
一括査定の反響は複数社に同時に届くため、最初の連絡の速さとヒアリングの質が媒介獲得を左右します。
査定依頼を受けてから媒介契約までの流れを5つのステップと文例に分けて、不動産会社がそのまま使える反響対応マニュアルとしてまとめました。
売却反響の対応にマニュアルが必要なのはなぜ?
売却反響は、ほぼ必ず他社と比べられるからです。
比べられる前提では、担当者ごとの対応のばらつきがそのまま媒介の取りこぼしになります。
売主の約9割は複数社に査定を依頼している
一括査定サイトの利用経験者249人への調査によると、2社以上に依頼した人は89.2%でした。
内訳は2〜3社が65.5%、4〜5社が18.9%、6社以上が4.8%です。
1社だけに依頼した人は10.8%にとどまります。
反響は「うちに来たもの」ではなく、「複数社で取り合うもの」と考えてください。
(引用元:W-ENDLESS社「不動産一括査定サイトの利用経験者を対象とした実態調査【2025年10月】」)
媒介の決め手は、価格の次に担当者の印象
同じ調査で、回答者249人のうち、決め手が「査定価格が高かった」人は29.2%でした。
次いで「担当者の人柄や印象が良かった」が24.8%です。
価格だけでなく、担当者の対応も見られています。
電話の第一声や査定根拠の示し方をマニュアルでそろえると、「印象で負ける」ことが減ります。
マニュアルを作る前に何を決めればいい?
先に決めるのは「反響の経路」「担当と時間のルール」「連絡手段の順番」の3つです。
反響の経路ごとに対応を分ける
一括査定は比較が前提なので、速さが最優先です。
自社サイト経由の売主は自社に関心があるため、ヒアリングと資料の質で信頼を固めます。
「誰が・何分以内に・何をするか」を決める
反響を受けたら誰が担当するのか、当番制か、エリア制かを決めます。
「反響から〇分以内に架電」「不通なら〇分後に再架電」のように数字でルール化します。
電話・SMS・メール・LINEの使い分けを決める
基本は電話で通電を狙い、つながらなければSMSとメールで名前と用件を先に伝えます。
LINEは国内の月間利用者数が1億人(2025年12月末時点)に達しており、売主にとって返信しやすい連絡手段です。
(引用元:LINEヤフー社「LINE、国内月間利用者数が1億ユーザーを突破」)
ただし、LINEは原則として、売主がお友達登録を済ませていないと会社側からメッセージを送れません。
そのため、一括査定の反響直後は電話とメールだけで追客している会社も少なくありません。
LINEを使うなら、どの時点でメールや電話からLINEのお友達に案内するかまで、マニュアルに書いておきます。
査定依頼から媒介契約まではどんな手順で進める?
「即時接触 → ヒアリング → 机上査定 → 訪問査定アポ → 媒介提案」の5ステップで進めます。
| ステップ | 目安のタイミング | やること | ゴール |
|---|---|---|---|
| 1. 即時接触 | 反響受信の直後(自社ルールで設定) | 架電。不通ならSMS・メール | 通電する |
| 2. ヒアリング | 初回の通話中 | 売却理由・時期・ローン残債・他社への依頼状況 | 本気度をつかむ |
| 3. 机上査定 | 当日〜翌日 | 査定額と根拠(近くの成約事例など)を送る | 比べる軸を価格以外に広げる |
| 4. 訪問査定アポ | 机上査定を送るとき | 日程を決め、前日に確認の連絡を入れる | 訪問査定を実施する |
| 5. 媒介提案 | 訪問査定の当日〜後日 | 査定根拠・販売の進め方・媒介の種類を説明 | 媒介獲得(受託) |
ステップ1〜2:まず通電し、売主の事情を聞く
最初の電話の目的は、売主の事情を聞き、訪問査定につなげる理由を見つけることです。
聞く項目と聞き方は、文例の表を使います。
ステップ3〜4:根拠つきの机上査定で訪問査定につなげる
机上査定は、査定額だけを送ると他社の数字と並べて比べられるだけです。
近くの成約事例や、売り出しから成約までの流れを添えて送ります。
そのうえで「正確な金額は室内を見てからお伝えします」と訪問査定の理由を示します。
ステップ5:訪問査定から媒介提案へ進める
訪問査定では、査定の根拠と販売の進め方をセットで説明します。
媒介の種類は売主の状況に合わせて説明し、業務報告の頻度(専任媒介は2週間に1回以上、専属専任媒介は1週間に1回以上)も伝えます。
【要確認:法令は改正される場合があります。e-Gov法令検索の宅地建物取引業法 第34条の2で最新情報をご確認ください】
反響対応ではどんな文例を使えばいい?
電話トーク、不通時のメッセージ、アポ確定後の確認の3つを文例にしておけば、初動はほぼカバーできます。
一括査定反響への初回電話トーク
「〇〇様でしょうか。〇〇不動産の〇〇と申します。」
「先ほどは〇〇市のマンションの査定をご依頼いただき、ありがとうございます。」
「正確な査定のために、2〜3分ほどお話を伺ってもよろしいでしょうか。」
了承をもらえたら、次の4つを聞きます。
| 聞くこと | 聞き方の例 |
|---|---|
| 売却理由 | 「差し支えなければ、ご売却を考えたきっかけを伺えますか。」 |
| 希望時期 | 「いつ頃までに売却できると安心でしょうか。」 |
| ローン残債 | 「住宅ローンは、まだ残っていらっしゃいますか。」 |
| 他社への依頼状況 | 「ほかの会社にも査定をご依頼されていますか。」 |
断られそうなときは、次のように切り返します。
- 「まだ売るか決めていない」→「決めていなくても大丈夫です。判断の材料として、相場と売却までの流れをお送りします。」
- 「他社にも頼んでいる」→「ぜひ比べてください。比べやすいよう、査定額の根拠になる成約事例もお付けします。」
電話を切る前に、机上査定の送り先だけは必ず確認します。
電話がつながらないときのSMS・メール
「〇〇不動産の〇〇です。査定のご依頼ありがとうございます。」
「先ほどお電話しましたが、つながらなかったためご連絡しました。」
「ご都合のよい時間帯を返信いただければ、こちらからおかけします。」
つながらなかったら、電話の直後に送ります。
訪問査定アポ確定後の確認メッセージ
「訪問査定のご予約ありがとうございます。〇月〇日〇時に伺います。」
「登記簿や購入時の資料があれば、ご用意いただけると助かります。」
前日にも同じ内容で連絡を入れると、当日のキャンセルを防げます。
売却反響対応でよくある失敗は何?
多い失敗は「初動が遅い」「査定額だけを伝えて終わる」「つながらないまま放置する」の3つです。
初動が遅い
先ほどの調査では、回答者249人のうち、初回連絡を1日以内に受けた人が45.4%でした。
2〜3日以内に受けた人は47.0%です。
売主の約9割は複数社に依頼しているため、連絡が遅れるほど、他社が先に売主と話すことになります。
反響をスマートフォンに即時通知し、当番がすぐ架電できる仕組みを作ります。
(引用元:W-ENDLESS社「不動産一括査定サイトの利用経験者を対象とした実態調査【2025年10月】」)
査定額だけを伝えて終わる
査定額だけでは、売主は「一番高い会社」を選ぶしかありません。
根拠と販売の進め方を添えると、価格以外の比べ方ができるようになります。
つながらないまま放置する
不通の反響は、「何回目の連絡で何をするか」を決めていないと放置されます。
「当日中に時間帯を変えて再架電、翌日にメール」のように予定を決め、顧客管理の仕組みに登録します。
反響が多くて追客に手が回らないときはどうする?
検討中の売主の追客を仕組みにして、営業は訪問査定と媒介提案に集中します。
追客する売主を「今すぐ」と「検討中」に分ける
売却時期が決まっている売主は営業が電話で、決まっていない売主は仕組みで追客します。
ヒアリングで聞いた希望時期をもとに分けると、優先順位をつけやすくなります。
検討中の売主にはLINEで連絡を届ける
LINEは家族や友人との連絡と同じ画面に届くため、目に留まりやすい連絡手段です。
ALL GRITのように、一括査定の反響をLINEのお友達につなげるツールを使えば、反響直後からLINEで追客できます。
※ALL GRITはお友達転換の自動化を実現したLINE追客ツールです。反響直後からLINE追客を行いたい方へ。⇒ALL GRITのサービス資料をダウンロードする
よくある質問
Q不動産の反響対応マニュアルには何を書けばいいですか?
経路ごとの担当と連絡までの時間、連絡手段の使い分け、不通時の連絡の予定、ヒアリング項目、文例の5つです。
Q反響から何分以内に電話すべきですか?
決まった基準はないため、「〇分以内」を自社で決めてください。
利用者249人への調査では、半数近く(45.4%)が1日以内に初回連絡を受けていました。
そのため、当日中の架電を最低ラインにします。
Q売却反響と購入反響のマニュアルは分けたほうがいいですか?
分けてください。
売却反響は他社と比べられるのが前提で、ゴールも訪問査定と媒介獲得です。
Qマニュアルを導入した効果は、どう測ればいいですか?
経路別に「初回連絡までの時間」「通電率」「訪問査定率」「媒介率」を記録してください。
通電率が低ければ初動、訪問査定率が低ければ机上査定の伝え方を見直します。
一括査定の反響直後からLINEで追客するには?
反響直後から売主とLINEでつながれる仕組みを用意することです。
ALL GRITは、一括査定の反響をLINEのお友達につなげる、不動産会社向けのツールです。
ALL GRITでできること
- 一括査定の反響を、LINEのお友達へつなげる
- 反響直後から、LINEで自動追客を始める
- 電話がつながらない売主とも、連絡の窓口を持てる
詳しくはまずは資料でご確認ください。
|
執筆者 河野 清博 ギバーテイクオール株式会社 代表取締役CEO 最終更新日:2026年9月29日 |

