売却反響へのSMSは、「反響直後に送る」「1通目はお礼と次の一手だけ」「売主の検討段階で送り分ける」の3点を守れば、訪問査定につながります。一括査定では、複数社から売主に電話が集中します。電話がつながらない売主にも、会社名と担当者名が入ったSMSなら届き、先に覚えてもらえます。

なぜ売却反響の追客にSMSが効くのか?

売主が、知らない番号からの電話に出ないからです。SMSは電話番号だけで届き、売主の都合のよいときに読んでもらえます。一括査定の反響は電話番号が分かった状態で届くため、すぐに使えます。

知らない番号の電話に出ない売主が多い

調査会社が20〜69歳の1,100人に聞いたところ、45.2%が「知らない番号からの着信はほぼ出ない」と答えています。一括査定で届く各社の電話も、売主から見ればどれも知らない番号です。

(引用元:クロス・マーケティング社「電話での声と文字のやり取りに関する調査(2024年)」)

SMSは届けば読まれやすい

通信会社の調査では、20代以上の1,053人のうち93.4%が「SMSの内容を確認する」と答えています。

(引用元:NTTコム オンライン「SMSの内容を確認する割合(2023年度版)」)

電話・SMS・メール・LINEはどう使い分けるのか

連絡手段 得意なこと 弱いところ
電話 その場で質問に答え、訪問査定の日程まで決められる 知らない番号だと出てもらえない
SMS 電話番号だけで届き、売主の都合で読める URLを入れると警戒されやすい
メール 査定書などの資料を送れる 他社のメールに埋もれやすい
LINE 写真や資料を送れ、長い追客に向く 友だち登録が済むまで送れない

LINEは、売主が友だち登録を済ませるまでメッセージを送れません。そのため反響直後の最初の接点は、電話とSMSが中心です。

売却反響へのSMS営業の基本的な送り方は?

反響が入ったらすぐ電話し、つながらなければその場でSMSを送ります。1通目は「お礼」「名乗り」「次の一手」だけです。最後は質問で終え、売主が一言で返せるようにします。

電話がつながらなければ、その場で送る

米国の研究者が2011年に発表した調査では、米国企業2,241社のうち、問い合わせから1時間以内に連絡したのは37%でした。1時間以内に連絡した企業は、それより遅い企業に比べ、商談につながる見込み客にできる割合が約7倍でした。不動産に限った調査ではありませんが、複数社が同時に動く一括査定では、速さの差がより結果に出やすくなります。

(引用元:Harvard Business Review「The Short Life of Online Sales Leads」)

物件住所や査定額は本文に書かない

スマホのロック画面には、SMSの文面が表示されることがあります。物件住所や査定額は書かず、会社名と担当者名、要件だけにとどめましょう。

訪問査定につなげるSMS営業の文例は?

1通目で接点をつくり、2通目で売主が知りたい情報を渡し、3通目で訪問査定を打診します。すぐに売らない売主には、月1回ほどの情報提供に切り替えます。夜間の反響など、場面別の文面も用意しておきます。

送る順 タイミング 目的
1通目 反響直後(電話がつながらなかったとき) 名乗り、連絡しやすい時間の確認
2通目 翌日〜2日後 机上査定の結果や周辺相場の案内
3通目 1週間前後 訪問査定の打診
長期追客 月1回ほど 成約事例や相場の動きを届ける

1通目:査定依頼の直後

「〇〇不動産の△△です。査定のご依頼ありがとうございます。先ほどお電話しました。つながりやすい時間帯を教えていただけますか?」

2通目・3通目:翌日〜1週間

2通目「〇〇不動産の△△です。机上査定の結果がまとまりました。価格の幅と根拠を、お電話で5分ほどご説明できます。ご都合はいかがですか?」

3通目「〇〇不動産の△△です。お部屋の状態を見せていただくと、より正確な査定額をお出しできます。〇日か〇日でご都合はいかがですか?」

机上査定の金額は幅を持たせて伝え、根拠の説明は電話か訪問査定の場で行います。

長期追客:月1回ほど

「〇〇不動産の△△です。ご依頼の地域で今月あった成約事例をお知らせします。配信停止をご希望の場合は『停止』とご返信ください。」

売り込みではなく、売主が判断に使える情報を届けるのがポイントです。配信停止の案内の書き方は、利用しているSMS配信サービスの推奨表記に合わせると安心です。

場面別:こんなときの文例

場面 文例
夜間・休日の反響(自動返信) 「〇〇不動産です。査定のご依頼を受け付けました(自動送信)。担当の△△より、明日9時以降にお電話します。避けたい時間帯があれば教えてください。」
他社と比べている 「〇〇不動産の△△です。他社様とご検討中でしたら、比較用に査定の根拠だけでもお伝えできます。ご希望があればご返信ください。」
査定額に不満がある 「〇〇不動産の△△です。先日の査定額について、根拠と売り出し方の工夫を改めてご説明できます。10分ほどお時間をいただけますか?」
返信をもらった 「〇〇不動産の△△です。ご返信ありがとうございます。〇日〇時にお電話します。ご都合が変わりましたら、このSMSにご返信ください。」

売主にSMSを送るタイミングはいつがよいのか?

1通目は、反響直後の速さを最優先し、自動返信なら夜間でもすぐ送ります。担当者からの電話やSMS、2通目以降は、朝8時より前と夜9時以降を避けます。売却時期が先の売主には、間隔をあけて長く接点を持ちます。

担当者からの連絡は夜9時から朝8時を避ける

宅建業法の施行規則では、迷惑を覚えさせるような時間の電話や訪問による勧誘を禁止しています。大阪府の案内では、一般的に夜9時から朝8時がこれにあたるとされています。担当者からのSMSも、この時間帯には送らないようにします。ただし査定依頼の直後に届く自動返信は、売主が自分の依頼への受付連絡だと受け止めやすいため、夜間でも送ってかまいません。その場合は「自動送信」と分かる文面にし、電話は翌朝8時以降にかけます。

(引用元:大阪府「宅地建物取引業法施行規則の改正について」)

【要確認:宅地建物取引業法は改正される場合があります。e-Gov法令検索で最新情報をご確認ください】

売却時期に合わせて間隔を変える

「3か月以内に売りたい」売主と「相場だけ知りたい」売主では、送る間隔が違います。目安は、前者なら週1回ほど、後者なら月1回ほどです。

返信がない・返信が来たときはどう動くのか?

返信がなければ、時間帯を変えて電話し、SMSで補います。返信が来たら、売主が望む連絡手段と時間帯に合わせます。反応がない売主は、社内で決めた基準で長期追客に移します。

返信がないとき

1通目のあとは、昼と夕方など時間帯を変えて電話します。何回送っても反応がなければ長期追客に移すのか、社内で基準を決めておきましょう。基準がないと、担当者ごとに追客をやめる時期がばらつきます。

「まだ売るか決めていない」と言われたとき

「決まっていなくても大丈夫です」と伝え、急かさないようにします。そのうえで、相場の動きや成約事例を定期的に届ける許可をもらいます。売る時期が決まったときに最初に思い出してもらえれば、媒介獲得につながります。

売却SMSで避けるべき失敗は?

不安をあおる文面、同意や配信停止の方法がないままの配信、担当者どうしの重複送信の3つです。どれも売主の不信感を招き、媒介獲得から遠ざかります。

不安をあおる・高い査定額で気を引く

「今売らないと損をします」のような文面は、売主を身構えさせます。根拠のない高い査定額で気を引いても、訪問査定で金額が下がれば信頼を失います。

同意や配信停止の方法がないまま送り続ける

SMSは、広告や宣伝のメールを規制する特定電子メール法の対象です。広告や宣伝の目的で送るには、原則として受信者の事前の同意が必要です。あわせて、送信者名や受信拒否の方法などを表示しなければなりません。長期追客の配信は、売主に定期配信の了承をもらってから始め、毎回停止の方法を書いておきます。停止の方法の書き方は、利用しているSMS配信サービスにも確認しておいてください。

【要確認:特定電子メール法は改正される場合があります。総務省サイトで最新情報をご確認ください】

担当者どうしで重複して送る

同じ売主に、別の担当者から似たSMSが届くことがあります。売主から見ると、社内で話が通っていない会社です。反響ごとに担当者を1人に決め、送信履歴を全員が見られるようにしてください。

売却反響のSMS追客を仕組みにするには?

SMS配信サービスやMAツールなどの外部ツールを入れ、手作業での送信をなくします。自動にするのは「1通目の送信」と「2通目以降の追客」の2つです。人の手に頼る部分が減れば、速さと追客の質が担当者によってぶれなくなります。

反響を取り込んだ時点で1通目を自動で送れば、夜間や休日、担当者が商談中の反響も取りこぼしません。ただ追客が長くなるほど、写真や資料を送れるLINEのほうが続けやすくなります。反響直後のSMSやメールに、LINEの友だち登録の案内を入れておくと移行がスムーズです。

ALL GRITでは、一括査定の反響が入ると、SMSやメールでLINEの友だち登録を自動で案内します。登録後は、決めておいた追客の流れに沿って、LINEでメッセージを自動で送れます。

※ALL GRITは売買仲介特化の自動追客ツールです。反響直後からLINE追客を実現したい方へ。⇒ALL GRITのサービス資料をダウンロードする

よくある質問

Q一括査定の反響にSMSを送っても法律上の問題はありませんか?

査定依頼への返答として連絡することは、一般的に行われています。一方、長期追客のような広告や宣伝の目的の配信は特定電子メール法の対象で、原則として事前の同意が必要です。そのため、長期追客の配信を始める前に、売主本人から定期配信の了承をもらっておくと安心です。最終的な判断は、弁護士などの専門家に相談してください。

【要確認:特定電子メール法は改正される場合があります。総務省サイトで最新情報をご確認ください】

Q不動産の追客SMSは何文字まで送れますか?

以前は、他社の携帯電話あての送信は全角70字まででした。現在は大手通信会社の間で、全角670字まで送れます。ただし文字数で送信料金が変わるうえ、1通目は短いほうが要件が伝わりやすくなります。

(引用元:NTTドコモ社「ショートメッセージサービスの送信可能文字数拡大について」)

QSMSにURLを入れてもよいですか?

入れる場合は、会社名と担当者名を名乗り、何のURLかを一言添えます。名乗りのないURLだけのSMSは詐欺と疑われやすく、開いてもらえないことがあります。査定書など売主ごとの情報を送るURLは、売主から返信が来てからにします。

一括査定の反響を、LINEでの追客までつなげるには?

ALL GRITは、不動産会社向けのMAツールです。一括査定サイトからの反響にSMSやメールを自動で送り、LINEの友だちへ転換します。電話がつながらない売主とも反響直後に接点をつくり、LINEでの自動追客で訪問査定のアポ率向上につなげます。

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河野清博

執筆者

河野 清博

ギバーテイクオール株式会社 代表取締役CEO

最終更新日:2026年9月30日