LINEステップ配信は、不動産売却会社の「人手不足」と「営業の属人化」を一度に解決できる施策です。売却反響客に対して自動で育成メッセージを送り続けることで、顧客が売却の意思を固めたタイミングで営業接触できます。一度設定すれば追客は自動で回り続けるため、担当者の数や稼働時間に左右されない営業体制をつくれます。

不動産売却会社がLINEステップ配信に注目するのはなぜか?

査定反響は届いた瞬間が最も温度が高く、時間が経つほど急速に冷めます。人手をかけずに反響客と接点を保ち続ける手段として、LINEステップ配信が注目されています。

反響直後に動けない会社が多い現実

一括査定サイトから反響が届いても、担当者が接客中や外出中であればすぐに電話をかけられません。ある不動産会社の事例では、初回対応体制を見直す前の接触率は38.2%でした。反響の約6割に初回連絡が届いていなかった計算です。

(引用元:LIFULL HOME'Sの事例報告)

「追客する人手がない」が業界共通の課題

媒介獲得競争が激しい中、1件の反響を担当者が継続してフォローし続けるのは時間的に限界があります。「今は売る気がない」と言った顧客も、数か月後に意欲が上がることは珍しくありません。その顧客と接点を保ち続けるために、自動追客の仕組みが必要です。

LINEステップ配信とは何か、通常のLINE配信と何が違うのか?

ステップ配信とは、顧客がLINEお友達になったタイミングを起点に、あらかじめ設定したメッセージを自動で順番に送る仕組みです。通常の一斉配信が「全員に同じ内容を同じタイミングで送る」のに対し、ステップ配信は「1人ひとりの登録日を基準に最適なタイミングで送る」点が大きく違います。

なぜLINEが追客チャネルとして有効なのか

LINEのメッセージはスマートフォンのホーム画面に通知が届くため、開封されやすいのが特徴です。またLINEの全業種平均開封率は55%とされており、不動産・住宅分野のメール平均開封率24.50%と比べて大きな差があります。読んでもらえる可能性が高い分、継続的な情報発信の効果が出やすいチャネルです。

(引用元:lymcampus「LINE公式アカウント開封率」、ラクス社「業界別メルマガの開封率とクリック率の目安って?効果測定の正しい方法とは」2024年7月)

注意点:LINEはお友達登録が完了しないと送れない

LINEは顧客がお友達登録を完了していないと、メッセージを送ることができません。そのため、反響後からLINEでのステップ配信を活用したい場合は、反響をLINEお友達に転換させる仕組みを持つ外部ツールの導入が必要になります。

※ALL GRITはお友達登録の自動化を実現したLINE追客ツールです。反響直後からLINE追客を行いたい方へ。⇒ALL GRITのサービス資料をダウンロードする

シナリオ設計①──売却理由に合わせてシナリオを分けるのが効果的な理由は?

お友達登録の直後に「売却理由アンケート」を送り、回答に応じて配信内容を切り替える方法がおすすめです。全員に同じ内容を送ると関係のない話題が届いてブロック率が上がるため、顧客の状況に合った言葉を届けることが信頼関係の第一歩になります。

売却理由ごとに寄り添うべき不安が違う

売却理由 顧客が抱える主な不安 届けるべきコンテンツの方向性
相続・空き家 遠方からの手続き、残置物、兄弟間の合意 「遠方でも対応できる理由」「残置物があっても売れる事例」
住み替え(買い替え) 売却と購入のタイミング、二重ローン 「売り先行と買い先行の違い」
離婚に伴う売却 スピード感、財産分与、共有名義の整理 「離婚時の売却の流れ」「共有名義の解消方法」
投資物件・資産整理 売り時の判断、オーナーチェンジ、税金 「売り時の判断基準」「譲渡所得税の仕組み」

アンケートの回答率を上げる工夫

選択肢を5つ以内にしてタップだけで答えられる形式にし、「あなたの状況に合った情報をお届けするために、1つだけ教えてください」と一言添えると回答率が上がります。なお、回答内容に応じたシナリオの分岐は、LINE公式アカウント単体では難しく、外部ツールとの連携が必要になります。

シナリオ設計②──査定意欲を高め「今の気持ち」で次のアクションへ繋げるには?

分岐後のシナリオでは、「この会社に査定を頼んでみたい」と思ってもらうための情報を段階的に届けます。多くの顧客は情報収集の段階にいるため、売却に関する知識コンテンツを届け続けることで、意欲を高めたときに想起してもらえる関係をつくります。

査定意欲を高めるコンテンツの設計

「価格設定を誤るとどうなるか」「不動産会社の選び方」「売却にかかる費用の目安」といった知識コンテンツを、5〜10日かけて複数回に分けて送ります。売り込みではなく顧客の判断を助ける情報を届けること。その積み重ねが、長期追客でブロックされずに関係を保つ土台になります。

シナリオの終盤で「今の気持ち」を確認する

コンテンツを届けた後、「訪問査定を受けたい」「もう少し情報収集したい」「今は売却の予定はない」など、顧客の現状をタップ一つで選べるアンケートを送ります。回答に応じて商談に進む顧客と継続フォローする顧客を自動で振り分け、営業が動くタイミングを見逃しません。

反応がなかった顧客への長期追客シナリオの組み方

「今すぐ売らない」と答えた顧客でも数か月後に意欲が上がるケースは珍しくなく、市場動向や事例を月1〜2本のペースで送り続けることで、動き出したときに最初に思い出してもらえます。

LINE配信ツールであるALL GRITの導入企業で長期追客の仕組みを整えた会社では、ステップ配信を続けた顧客から3か月後に査定依頼が入った事例もあります。

LINEステップ配信を始める前に用意すべきものは何か?

最低限必要なのは、①お友達化の導線、②配信ツール、③シナリオ原稿の3つで、どれか1つが欠けても機能しません。

お友達化の導線をどう設計するか

反響直後に自動でLINE登録リンクをメールやSMSで送る仕組みを持つかどうかで、その後の追客の質が大きく変わります。一括査定連携に特化したMAツールを活用することで、この仕組みをスムーズに整えられます。

シナリオ原稿は5本から始める

「登録直後の挨拶→売却理由アンケート→知識コンテンツ3本→今の気持ち確認」の5本で回し始め、開封率を見ながら追加していくのが現実的な進め方です。

不動産会社がステップ配信で失敗するパターンはどこか?

失敗の原因は「内容が一方的すぎること」と「お友達数が少なすぎること」の2点がほとんどです。

売り込み色が強い内容はブロックされる

「無料査定受付中」のような内容は顧客にメリットがなく、ブロックされやすくなります。顧客がLINEに残る理由は「この会社の情報が役立つから」という点だけで、知識コンテンツ中心の設計が長期追客の基本です。

お友達が少ないと配信の効果は出ない

お友達数が100人未満の段階では成約につながるサンプル数が少なく、改善のサイクルも回しにくくなります。まず反響をLINEお友達に転換する仕組みを整えることが、ステップ配信の前提です。

LINEステップ配信の効果はどこを見て判断するか?

見るべき指標は、開封率・ブロック率・「今の気持ち」アンケートの回答率の3つです。

開封率とブロック率で内容の質を測る

目安として開封率が30%を下回るようであれば、冒頭の一文か送る時間帯を見直すサインと捉えてください。ブロック率が上がっているときは配信頻度か売り込み感を確認します。週次で確認し1本ずつ改善するのが現実的な運用です。

媒介獲得までの期間で追客の質を測る

「今の気持ち」で「訪問査定を受けたい」と回答してから媒介獲得(受託)までの日数を記録しておくと、シナリオの効果が数字で見えてきます。長期追客の顧客も含めて追いかけると、ステップ配信が受託に直接貢献しているかを把握できます。

よくある質問

Qシナリオを分岐させると管理が複雑になりませんか?

最初は「共通の本シナリオ1本+売却理由別の導入3〜5本」という構成が管理しやすいです。分岐は配信ツール側で自動で行われるため、一度設定すれば追加の手間はかかりません。

Qステップ配信は何本用意すれば良いですか?

まずは5本を目安に始めてください。売却検討のサイクルが1〜3か月であることを考えると、週1〜2本のペースが顧客の負担になりにくい頻度です。

Q「今は売る気がない」と答えた顧客はどうすれば良いですか?

配信を止めるのではなく、頻度を落として長期追客シナリオに移行します。月1〜2本のペースで送り続けることで、意欲が再燃したときに想起してもらえます。

売却追客の仕組みを自動化したい方へ

反響をLINEお友達に転換する仕組み、アンケートに応じた分岐配信、長期追客まで——これらを一体化させることで、初めて自動追客が機能します。

ALL GRITは、一括査定サイトからの反響の自動転換からシナリオの分岐配信・長期追客まで対応した、不動産会社特化のMAツールです。追客プロセス全体を整えることに興味のある方は、以下からお気軽にご相談ください。

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河野清博

執筆者

河野 清博

ギバーテイクオール株式会社 代表取締役CEO

最終更新日:2026年9月16日