不動産売却DMの反響率は、エリアや送り先によって大きく変わるため、一律の目安を示しにくい数字です。参考になるのは、宛名なしポスティングの反響率0.02〜0.1%と、本人宛DMの閲読率75.1%(1,076通の調査)です。自社の反響率は「査定依頼数÷送付数」で測り、過去の実績と比べて判断してください。
あわせて通電率・訪問査定率・媒介獲得率まで追えば、反響がどこで止まっているかが分かります。
不動産売却DMの反響率はどのくらいが目安?
いちばん確かな目安は、自社が前回送ったDMの反響率です。他社の数字は、エリアや送り先リストの条件が違うため、そのままでは比べられません。反響率は「反響数÷送付数」で計算します(計算例:1,000通送って査定依頼が5件なら0.5%)。
なお、ここでいう反響は、DMから来た机上査定・訪問査定の依頼のことです。机上査定は気軽な入口に、訪問査定は売却の意思が固い方の窓口になります。DMには両方の申し込み方法を載せておきます。
宛名のないポスティングの反響率は0.02〜0.1%
宛名なしのポスティングの反響率は、0.02〜0.1%程度とされています。1万枚配って2〜10件の反響という水準です。宛名つきの売却DMは送り先を選んでいるぶん条件が違うため、この数字は「下限の参考」として見てください。
(引用元:宣伝会議 AdverTimes「不動産データを活用して確実にリーチ “無駄撒き”を減らし、高反響率を実現」)
本人宛の紙DMは7割以上が読まれている
DM業界団体の日記調査では、受け取った本人宛DM1,076通のうち75.1%が読まれていました。前年の調査(1,264通)でも75.4%で、2年続けて7割を超えています。同じ1,076通のうち19.7%では、受け取った後に何らかの行動が起きています。ただし、この「行動」には査定依頼以外のものも含まれるため、反響率とは別の数字です。
(引用元:一般社団法人日本ダイレクトメール協会「DMメディア実態調査2023」)
「反響率」と「開封率」は何が違う?
開封率は「見てくれた割合」、反響率は「査定依頼など行動した割合」です。開封率が高いのに反響率が低いなら、文面か返信の導線に問題があります。紙DMは開封を記録できないため、反響率と媒介獲得率で評価します。
売却DMで追うべき指標は5つある
反響の後まで追わなければ、DMの本当の成果は見えません。売却DMで追う指標と、反響後の目安を表にまとめました。
表1:売却DMで追うべき指標と目安
| 指標 | 計算式 | 目安・参考値 |
|---|---|---|
| 開封率 | 開封数 ÷ 送付数 | 紙DM:1,076通中75.1%が閲読(調査での参考値。自社では測れない)/メール:住宅・不動産(BtoC)24.50% |
| 反響率 | 反響数 ÷ 送付数 | 売却DMは自社の過去実績と比較/参考:宛名なしポスティング0.02〜0.1% |
| 通電率 | 電話がつながった数 ÷ 反響数 | 70%を目指す |
| 訪問査定率 | 訪問査定数 ÷ 反響数 | 25%を目指す |
| 媒介獲得率 | 媒介獲得数 ÷ 訪問査定数 | 60%を目指す |
※通電率・訪問査定率・媒介獲得率は、一括査定の反響対応についてコンサルタントが示した目標値です。DMの反響を追う際の目安としても使えます。
(引用元:一般社団法人日本ダイレクトメール協会「DMメディア実態調査2023」/宣伝会議 AdverTimes「不動産データを活用して確実にリーチ “無駄撒き”を減らし、高反響率を実現」/ラクス社「業界別メルマガの開封率とクリック率の目安って?効果測定の正しい方法とは」/公益社団法人全日本不動産協会「 一括査定サイトを利用した効果的な媒介取得法」)
住宅・不動産のメール開封率は約25%
国内のメール配信サービスのユーザー企業の配信データ(2024年7月)では、住宅・不動産(BtoC)の開封率は24.50%、クリック率は1.11%でした。一般的な目安とされる開封率15〜20%前後と比べると、やや高い数字です。
(引用元:ラクス社「業界別メルマガの開封率とクリック率の目安って?効果測定の正しい方法とは」)
売却DMの反響率を正しく測るにはどうすればいい?
測定は「事前に決める→送付時に仕込む→送付後に記録する」の3ステップです。とくに2つ目の「仕込み」がないと、反響を元のDMと結びつけられません。
ステップ1:送る前に「測る項目」と「目標」を決める
送付数、反響数、通電数、訪問査定数、媒介獲得数の5つは必ず記録します。目標は前回のDMの実績をもとに決めてください。
ステップ2:査定フォームのQRコードと専用電話番号を入れる
DMごとに、査定フォームへつながるQRコード(URL)を分けて用意します。可能なら専用の電話番号や「DM番号」も載せておきましょう。電話で「DMを見た」と言われたときに番号を聞けば、元のDMが分かります。
ステップ3:反響をすべて1つの表に記録する
反響の日時、元のDM、通電、訪問査定、媒介獲得までを1行で記録します。最低でも、共有のスプレッドシート1つにまとめてください。
なぜ売却DMの反響率は低くなりがちなのか?
原因はDMの中身よりも、「誰に送り、反響後にどう動くか」にあることが多いです。送り先リスト、文面、反響後の追客のうち、とくに反響後の対応が遅いと、せっかくの反響が他社に流れてしまいます。
売る予定のない人にまで送っている
マンション全戸や住宅地への一律送付では、売却を考えている人はごく一部です。相続、住み替え、築年数など、売却のきっかけがある人に絞る必要があります。なお、登記情報などからリストを作る場合は、個人情報の扱いに注意してください。
【要確認:個人情報保護法は改正される場合があります。個人情報保護委員会のサイトで最新情報をご確認ください】
文面が一律で「自分ごと」にならない
「売却をお考えの方へ」だけでは、多くの人が読み飛ばします。効くのは「○○マンションで○年に成約がありました」など、受け取った人の物件に近い情報です。
反響後の追客が営業任せになっている
一括査定サイトのイエウール利用経験者5,412人に、不動産会社の決め手を聞いた調査があります(複数回答)。「対応が早かった」を選んだ人は約4割で、「信頼できる担当者だった」(約6割)に次いで2番目に多い回答でした。調査元は、査定の申し込み後にどの会社よりも先に連絡をくれた、という初回の早さに触れています。DMの反響でも、連絡が遅れれば売主の相談は他社へ移ります。初動を営業個人の判断に任せていると対応がばらつき、この「早さ」で負けてしまいます。
(引用元:Speee社「不動産売却における不動産会社の決め手」)
売却DMの反響率を上げるには何を見直せばいい?
見直すのは「送り先」「返信の手段」「反響後の対応」の3つです。改善の前後は、必ず同じ式で反響率を比べてください。
送り先を「売却のきっかけ」で絞る
相続が発生した物件、築年数が経った戸建て、購入から年数が経ったマンションなどが候補です。机上査定だけで止まった方や、過去に取引したお客様も有力な送り先です。一度は売却を考えた方なので、反響につながりやすくなります。
返信の手段を電話以外にも用意する
電話だけだと「営業されそう」と感じて、連絡をためらう人がいます。査定フォームのQRコードから机上査定を申し込める形にすれば、気軽に反響が来ます。入力項目は所在地・種別・連絡先くらいに絞ってください。
反響後の電話・メール・LINEの使い方を決めておく
反響が来たら、誰が何分以内に電話するかを決めておきます。ただ、電話がつながらないと追客はそこで止まりがちです。メールは連絡先が分かればすぐ送れますが、開封率は4分の1ほどです。
LINEは日常的に見られやすい一方、お友達登録が済んでいないとメッセージを送れません。そこで、DMの紙面やメール本文にLINE登録用のQRコードやリンクを載せておきます。「LINEでも査定のご相談を受け付けます」と添えれば、登録する理由が伝わります。机上査定を申し込んだ方にも、査定結果の送り先としてLINE登録をお願いしましょう。
LINE追客ツールのALL GRITを使えば、お友達登録の後の追客を自動で続けられます。査定結果のご案内や近隣の成約情報を届け続けられるので、営業の手が空かない日も連絡が途切れません。追客の中で、お客様を訪問査定のアポイントへ引き上げる機能も備えています。
※ALL GRITは売買仲介特化の自動追客ツールです。反響直後から取りこぼしゼロの追客を実現したい方へ。⇒ALL GRITのサービス資料をダウンロードする
よくある質問
Q不動産DMの反響率の平均は何%ですか?
売却DMの反響率は、エリアや送り先で大きく変わるため、一律の平均は示しにくい数字です。参考値は、宛名なしポスティングの0.02〜0.1%です。宛名つきの売却DMは送り先を絞れるため、自社の過去実績と比べて判断してください。
Q紙DMは開封率を測れないので、効果測定はできませんか?
できます。査定フォームのQRコードや専用電話番号をDMごとに分ければ、反響率まで測れます。紙DMの目的は媒介獲得なので、反響率と媒介獲得率の2つを軸に判断します。
Q売却DMの反響率が0.1%を切っています。やめるべきですか?
1回の結果では判断せず、送り先と文面を変えて数回は比べてください。判断の軸は反響率よりも、「1件の媒介獲得にかかった費用」です。
QメールとLINE、売却の追客にはどちらが向いていますか?
連絡先が分かった直後はメール、お友達登録の後はLINEが向いています。住宅・不動産のメールの開封率は24.50%で、約4分の3は開封が確認されていません。長期の追客は、日常的に見られやすいLINEに移すのが効率的です。
Q営業が追客をしてくれません。会社として何ができますか?
追客を「個人の頑張り」から「会社の仕組み」に変えてください。反響後の連絡ルール、送る文面、記録する表を会社で決めます。定期的な情報提供は自動配信に任せれば、漏れがなくなります。
反響を媒介獲得につなげる仕組みを整えるには?
DMの反響率を上げても、反響後に連絡が途切れれば媒介獲得にはつながりません。成果を分けるのは、反響をいかに早く、途切れずに追客できるかです。
ALL GRITは、不動産会社向けの追客ツールです。DMや一括査定サイトなどの反響をLINEのお友達につなげ、電話がつながらないお客様にも反響直後から自動で追客できます。
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執筆者 河野 清博 ギバーテイクオール株式会社 代表取締役CEO 最終更新日:2026年10月5日 |

