電話に出ない売主には、留守電とSMSで用件を伝え、折り返しや再架電では用件から話します。最後は候補日の2択でアポを決めます。売主に「売り込みの電話」ではなく「査定結果の連絡」だと伝わると、電話に出てもらいやすくなります。場面ごとの話し始めの一言は下の表のとおりです。
| 場面 | タイミング | 話し始めの一言 |
|---|---|---|
| 留守番電話 | つながらなかった直後 | 「査定結果のご案内でお電話しました」 |
| SMSの1通目 | 留守電のすぐあと | 「ご都合のよい時間をお知らせください」 |
| 折り返しの第一声 | 売主から電話が来たとき | 「先ほどは査定結果のご案内でご連絡しました」 |
| 再架電の第一声 | 時間をあけてかけ直すとき | 「先ほどSMSでもご連絡した件でお電話しました」 |
| アポの提案 | 用件を伝えたあと | 「土曜と日曜でしたら、どちらがご都合よろしいですか?」 |
電話がつながらない売主には、どんな順番で連絡すればいい?
最初の電話に出なかったら、すぐに留守電とSMSで用件を残します。
そのあとは、時間帯を変えてかけ直します。
どの連絡でも、最初に「誰から・何の用件か」を伝えることが基本です。
電話に出ない売主は珍しくない
ある架電代行会社の集計では、2026年9月に対応した査定反響4,086件のうち、電話がつながったのは2,460件でした。
残りの1,626件は、電話がつながっていません。
電話をかけた回数は、9月度で1件あたり平均6.85回です。
何度かかけ直すのは当たり前です。だからこそ、毎回の電話に用件を持たせます。
(引用元:ミカタ株式会社「一括査定サイト媒体別の通電率・訪問査定率レポート 2026年9月度」)
つながらない売主を逃しやすい連絡のしかた
| 場面 | NGな連絡 | OKな連絡 |
|---|---|---|
| 電話に出なかった | 何も残さずに切る | 留守電とSMSで用件を残す |
| SMSを送る | 「お電話ください」だけ | 用件と担当者名を書く |
| 折り返しが来た | 名乗るだけで用件を言わない | 名乗ってすぐ用件を伝える |
| かけ直す | 同じ時間帯に何度もかける | 時間帯を変えてかける |
| アポを提案する | 「いかがでしょうか?」と聞く | 候補日を2択で示す |
不在のときは、留守電とSMSに何を残せばいい?
会社名と名前、査定依頼へのお礼、用件の3つを残します。
用件を「査定結果のご案内」とはっきり伝えると、売主が折り返す理由になります。
SMSには、次の連絡方法も添えます。
留守番電話に残す一言
営業:〇〇不動産の〇〇です。このたびはご査定のご依頼ありがとうございます。査定結果のご案内でお電話しました。のちほどSMSでもご連絡いたします。
留守電は、最後まで聞いてもらえるよう短くまとめます。
SMSの1通目
SMS:〇〇不動産の〇〇です。査定のご依頼ありがとうございます。査定結果のご案内でお電話しました。ご都合のよい時間をお知らせいただければ、こちらからおかけします。
1通目はお礼と用件、次の一手だけに絞ります。
「こちらからおかけします」と添えると、売主が電話をかけ直す手間がなくなります。
SMSの2通目(時間をあけて送る)
SMS:〇〇不動産の〇〇です。査定結果は、ご登録のメールアドレスにお送りしました。気になる点があれば、このSMSにご返信ください。
2通目では、査定結果をメールで送ったことを伝えます。
返信先をSMSにしておけば、電話が苦手な売主も文字で連絡できます。
SMSの文例は「不動産SMS営業の送り方|文例8選」も参考にしてください。
折り返しがあったら、第一声は何と言えばいい?
名乗ったあと、すぐに「査定結果のご案内」と用件を伝えます。
誰からの電話かわからない状態で待たせると、売主の警戒心が強くなります。
基本の第一声
売主:さっきお電話をもらったみたいなんですが……
営業:お電話ありがとうございます。〇〇不動産の〇〇です。先ほどは査定結果のご案内でご連絡しました。いま2〜3分ほどよろしいでしょうか?
「何の電話ですか?」と聞かれたとき
売主:何の電話ですか?
営業:失礼しました。不動産の査定をご依頼いただいた件です。〇〇市〇〇町のマンションでお間違いないでしょうか?
物件の住所を伝えると、売主はどの依頼の電話か思い出せます。
「営業の電話ならけっこうです」と言われたとき
売主:営業の電話ならけっこうです。
営業:ご依頼いただいた査定結果のご案内だけです。まずはメールで結果をお送りしますね。
売り込みではないと伝え、まずはメールで結果を送る約束をします。
ここで無理に話を続けず引いておけば、次に連絡する余地が残ります。
かけ直すときは、いつ・何と言って話し始めればいい?
前回の連絡の続きだと伝わる一言から話し始めます。
「SMSをお送りした」「メールをお送りした」と言えば、売主は誰からの電話かすぐにわかります。
SMSを送ったあとの再架電
営業:〇〇不動産の〇〇です。先ほどSMSでもご連絡した、査定結果のご案内の件でお電話しました。いま2〜3分ほどよろしいでしょうか?
査定結果のメールを送ったあとの再架電
営業:〇〇不動産の〇〇です。先日お送りした査定結果の件で、気になる点がないか確認したくお電話しました。
「ご覧になりましたか?」と聞くと、まだ見ていない売主は答えに詰まります。
「気になる点がないか」と聞けば、見ていてもいなくても答えられます。
かける時間帯を変える
同じ架電代行会社が約13,000件の対応データを曜日・時間帯別に集計した2021年の表では、火曜・水曜の午後がつながりやすい傾向でした。
なかでも水曜18〜19時の通電率は89.7%で、平日でもっとも高い数字です。
同社は、この曜日に定休日の不動産会社が多く、競合の電話が少ないことが最大の理由ではないかと推測しています。
(引用元:ミカタ株式会社「売主への電話、一番繋がるのは●曜日の●時です」)
用件を伝えたあと、どうアポにつなげればいい?
用件を伝えたら、初回電話と同じく、訪問の理由と候補日の2択を続けて伝えます。
つながるまでに時間がかかった売主ほど、この1回で日程まで決めます。次にまたつながる保証はないからです。
訪問の理由と候補日を続けて伝える
営業:室内の状態や日当たりで、金額が変わることがあります。一度拝見して、根拠をそろえてご説明させていただきたいのですが、今週の土曜と日曜でしたら、どちらがご都合よろしいですか?
売主:土曜なら大丈夫です。
日程の決め方は「不動産営業トークスクリプト【初回電話編】」で紹介しています。
「メールを見てから考えます」と言われたら
売主:送ってもらったメールの結果を見てから考えます。
営業:承知しました。結果をご覧いただいたころに、一度お電話します。来週の火曜と水曜でしたら、どちらがご都合よろしいですか?
アポにならなくても、次に電話する日を2択で決めておきます。
次の約束があれば、もう一度つながらない状態に戻らずに済みます。
何度かけてもつながらないときはどうする?
電話をかけ続けるより、メールやSMSでの連絡を中心にして、追客に切り替えます。
電話に出ないだけで、売却をやめたとは限らないためです。
電話に出ない売主も、検討を止めているとは限らない
当社が追客を支援した事例では、電話には応答がなかった売主が、お送りした査定結果を短時間に何度も見返していました。
その5日後には、自分から来店相談を予約しています。
電話には出なくても、査定結果の確認や予約は進んでいたことになります。
(引用元:ギバーテイクオール株式会社「成果事例集」2026年10月版)
メールで、電話以外の相談方法を伝える
メール:先日お送りした査定結果について、気になる点はございませんか?お電話がご都合悪いようでしたら、このメールへのご返信でもご相談いただけます。
電話以外の連絡手段を示しておけば、電話に出られない売主にも返事をする手段ができます。
間隔をあけて追客を続ける
つながらない売主にも、相場の動きなど役に立つ情報を用件にして連絡を続けます。
当社の事例には、査定結果を最初に見てから14日後に、訪問査定を申し込んだ売主もいます。
(引用元:ギバーテイクオール株式会社「成果事例集」2026年10月版)
連絡の間隔は「不動産売却の追客頻度」を参考にしてください。
よくある質問
Q不動産の査定反響で、つながらない売主に電話は何回までかけていい?
架電代行会社の集計では、査定反響1件あたりの平均架電回数は6.85回でした(2026年9月度)。
ただし、回数より、毎回の電話に用件があるかどうかで判断します。
用件のない電話を続けると、着信を見ただけで出てもらえなくなります。
Q査定依頼の売主にSMSを送っても返信がないときは、どうすればいい?
時間帯を変えて電話をかけ直し、「先ほどSMSをお送りした」と前回の続きから話し始めます。
それでもつながらなければ、メールで、返信でも相談できると伝えます。
Q売主への架電は、非通知でかけてもいい?
番号を通知してかけます。
非通知の電話は出てもらいにくく、売主から折り返すこともできません。
SMSを送った番号と同じ番号からかけると、売主が誰からの電話かわかります。
電話に出ない売主には、LINEで返信しやすい連絡手段を
ここまでの連絡は、電話・SMS・メールが中心です。ただ、SMSやメールは送れても、返信までしてもらえるとは限りません。
LINEなら、売主は自分の都合のよいときに、査定結果を見返したり、相談を申し込んだりできます。
ALL GRITは、LINEで売主を追客できる不動産会社向けのツールです。電話に出ない売主とも接点を持てるので、訪問査定のアポにつながる機会を増やせます。
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執筆者 河野 清博 ギバーテイクオール株式会社 代表取締役CEO 最終更新日:2026年10月16日 |

